面倒見がよくて、それでいて勝ち気な性格をしている女教師の『茉莉花』。
そんな彼女にずっと想いを寄せていた主人公『天海優登』は、教え子として卒業する間際に告白。
一度振られたこともあったが、褪せない優登の熱意に茉莉花は告白を受け入れてくれるのだった。
それからは幸せな日々が過ぎていく。
長く付き合うなかで結婚もして、記念日を重ねることができた。
ケンカをしたり、怒られたりすることはあれど優登には掛け替えのない時間が過ぎていく。
これからもその幸せが続くと信じていた――――
優登はそろそろ就職活動を開始しなければいけない大学生になっていた。
そんな季節に茉莉花は遠い学校へ異動してしまう。
通うには遠すぎて、たまに帰ってくるぶんには容易な距離。
しかし、一緒に暮らすには難しいと茉莉花は単身赴任をしてしまう。
遠く離れて生活するようになって忙しい毎日が続いていく。
それでも寂しくないよう互いに連絡を取り合うことを心がけた。
「今日はこんなことがあった」「週末はデートに行こう」
なんでもない会話だけでも2人は繋がっていると安心することができていた。
そんな日々の中で”互い”に異性の陰がちらつくようになってくる。
『本当になんでもないのだろうか』
いくら信用しあった仲とはいえ、顔を合わせて気持ちを聞くことも出来なくなると不安が押し寄せてきてしまうようになる。
いつしかそれは我慢しきれないほどまでに募っていき取り返しのつかない事を起こしてしまう……