梅雨の合間、少し控えめな日差しが桜並木を縫って湿った石畳を優しく照らしている。
昨夜の雨に濡れた桜の青葉が雫をきらきらと光らせながら、鮮やかな緑色を透かして揺れている。
校舎までの短い桜並木に、少女達の黄色い笑い声と軽い靴音が弾むように響いている。
その光景は、とても清純で美しく、清々しい。
でも…どうして男(ボク)が通わなきゃいけないのっ?!
鏑木財閥の御曹司で、文武両道・天稟の才があるけどちょっと気の弱い男の子。
そんな瑞穂のもとへ、ある日顧問弁護士が訪れる。
『先だって亡くなられたお祖父様の遺言です』
そう言って渡されたのは、なんと女学院の入学案内。
幼なじみ・まりやの趣味で女装を強要させられたあげく、無理矢理転入させられた女学院では、なんの間違いか全校生徒の憧れの的『エルダー・シスター』に選出されてしまう。
突然嵐のように降って湧いた、お嬢さま学院での大騒動!!
瑞穂は一体どうなってしまうのか…?!