「この学院に在籍する、僕の『娘』を護って欲しい」
世界を股にかけた企業グループである尽星コーポレーション。
その創業者一族の娘として生まれた「風早織女(おりひめ)」――その身辺を密かに護衛する。
それが、主人公・結城密(ひそか)に言い渡された職務だった。
密は、孤児となった際に現当主、風早幸敬(ゆきたか)によって保護された子ども。
その腹心である結城大輔に預けられ、その養子として育てられた。
いつか織女のために、陰に陽向に働く――そのための存在として。
だから、覚悟は出来ていた。
ただ問題は、これから向かう聖セラール女学院は男子禁制のお嬢さま学校だということで……。
――しかし、密は知らなかった。
それが、自分の人生を変えていくほどの大きな転機になるのだということを……。