──世界は、静かに終末を迎えようとしている。
西暦2022年。
世界は原因不明の死に至る病に冒されていた。
隣接する多重次元世界が融合し、異空間化してしまうという「散花蝕(ペトレーション)」と呼ばれる次元融合現象である。
汚染地域は人間が近寄ることを頑なに拒み、その領域は徐々に拡大しつつあった……。
そんなある日。
九州の片田舎で普通の学生として生きていた「丸目蔵人」は文部科学省の発行した召喚状で、突如として、東京湾の新規埋め立て地に造成された新東雲学園都市に連れてこられることになった。
自分にどんな役割があるのか、それにどんな意味があるのか…全く知ることの無いままに。
けれど、刻一刻とそれを許さぬように世界は滅亡への道を辿り始める。
手に携えるは幼い頃から鍛え続けてきた剣術と、一振りの刀剣のみ。
そして蔵人は、そこで自らの運命をそれぞれに斬り拓こうとする少女たちと出逢う──。
逃れる術のない蒼き天蓋の下で──今、少年少女達の未来への戦い、「終末幻想」の物語が静かに幕を開けようとしていた……。