肥沃で広大な大地、レミリシア大陸。
この大陸では永らくレミリシア王国神聖騎士団とオークなどの亜人種やモンスターを率いる魔王軍が大きな戦いを繰り広げており、両軍の緩衝地帯「荒れ地」では常に戦火が絶えない状況になっていた。
お互い疲弊している両軍だったが、戦争の発端も忘れられてしまうほど長い間戦い続けており、何の為に戦い続けているのか誰もが疑問に思う程であったものの、今更矛を収める事も出来ず、戦闘行為自体が日常の一部になってしまっていた。
そしてまた今日も、「荒れ地」では神聖騎士団と魔王軍との激しい戦いが行われ、その中でも騎士団の精鋭中の精鋭・聖騎士ミルドレッド率いる「白銀の鷹団」は戦場を縦横に駆けめぐり、獅子奮迅の活躍で魔王軍の筆頭暗黒騎士・ベルドナ=モルドレッド率いる「魔王親衛隊」に匹敵する戦闘力で今回も大きな戦火をあげていた。
そして戦闘が終わり両軍が引き上げを開始しはじめた頃、「荒れ野」の緩衝地帯にある山脈に根城を構え、戦場で死体漁りをして武器や鎧を回収し、修理して双方の軍団に売りさばくという「サルベージ屋」と呼ばれる武器商人団の頭目・オルロギン=ブレイク(主人公:名前変更可能)はいつもの様に戦闘が収まった頃合いを見計らって手下を引き連れて商売に励もうとしていた。
そこに単騎で戦場を駆け抜け、誰かを血眼になって捜している様子のミルドレッドが現れる。
「──────姫はいずこに?」
何の事だかわからなず主人公は彼女の剣幕を恐れ慌てて身を隠すものの、彼女に見つかってしまい喉元に剣(つるぎ)を突きつけられて詰問される事に。
「貴様ら魔王軍が拐(かどわ)かした我らが姫はどこかと聞いている!」
彼女の気迫に押される主人公だったが、何の事かわからないととぼけるしかなかった。
「くっ……! 姫はいったいどこに?!」
そういって駆け出していった彼女を呆然と見送る主人公だったが、手下達の情報により王国の姫君が行方不明になっていて大騒ぎになっている事を知る。
主君に使える女騎士の弱みに気づいた主人公は一計を案じ、行方不明だった姫の噂を利用して女騎士を捕らえ自分のものにする事を思い立つ。
そこで、主人公は自分が姫の身柄を預かっていると嘘の噂を町中に流し、無事に返して欲しかったら言うことを聞けという嘘の脅迫文を彼女に送りつける。
後日、姫の身柄と交換するという約束で主人公の元に現れた彼女は、「一ヶ月間、自分の愛人になれば姫を返してやる」という約束を信じ、主人公のいやらしい命令を屈辱に耐えながらこなしていくのだった……。