学生として普通の日常をおくっていたはずの杉田悠真は、ある日目を覚ますと見知らぬ薄暗い部屋に閉じ込められていた。
「そ……そこにいるのは誰? ここはどこなの?」
同じ部屋にはクラスメイトで、密かな想い人でもある"神武寺美結"も捕らえられていた。
見知らぬ地下室に閉じ込められ、不安に駆られる二人。
すると、備え付けられていた液晶のモニターに豪奢なスツールに腰掛けた妙齢の仮面の女が映し出された。
「初めまして……私の館へ、ようこそおいでくださいました。私のことは女主人(ミストレス)とお呼びくださいね……悠真さんに、美結さん。勝手ながら私の判断でお二人にこの部屋に来て頂きましたの。これから私が幾つかお願いをしますので、それに従ってくださらない?」
勝手な話を進める女主人に文句を言うと、首に付けられていたチョーカーから電流が流れ、制裁が加えられる。
悠真と美結には従う以外の選択肢はなかった。
「それでは最初の課題よ。……入り口のところに容器があるわね? その容器を液体でみたしなさい。そうすれば部屋の扉が開くわ……」
しかし、この部屋には蛇口のたぐいもなく、容器を満たす事の出来そうな液体は見あたらない。
そして30分すると扉は永久に開かなくなる。
どうすれば良いのか戸惑う悠真。
すると美結のほうが何かに思い当たったようにつぶやいた。
「こ、この容器に……お、おしっこを貯めろって……事なんじゃ……」
しかし容器は容量的に一人だけではとても満たせる量ではない。
そして、容器の高さは二人の腰程まであり、男の自分はともかく、美結には自力で用を足すことはできない。
「……あ、あなたに抱えてもらえば……出来ると思う……けど……ぜ、絶対に目を閉じてて!」
このおかしな状況から脱出するため、子供に小便をさせるように美結を抱きかかえ容器を液体で満たすことに成功する。
いったいなぜこんな事をしなければならないのか?
女主人の正体とはいったい?